産休入りを控えて悩む「有給休暇の消化」。
全部使い切ってリフレッシュするか、復帰後の子供の病気に備えて残すべきか。
先輩ママの事例や、産休・育休中の有給付与ルール、消滅時効の仕組みを解説し、あなたに最適な残日数を導き出します。

産休入りが近づくと、赤ちゃんに会える楽しみと共に現実的な悩みが浮上します。それが「有給休暇をどうするか」問題です。
大きなお腹で働くのは辛いから、産休前にまとめて使ってゆっくり過ごしたい。
でも、先輩ママからは「復帰後は子供がすぐ熱を出すから、有給がないと詰むよ」なんて脅されることも。
「結局、どのくらい残しておけば安心なの?」
「全部使い切ったら後悔する?」
そんなプレママのために、産休前の有給消化におけるメリット・デメリット、意外と知らない付与の仕組み、そして復帰後のリアルな事情までを徹底解説します。
どちらが正解ということはありません。
あなたの体調、会社の制度、復帰後のサポート体制によってベストな答えは変わります。
後悔しない選択をするための判断材料として、ぜひ最後までお読みください。
産休前に有給休暇を「全部消化する」メリットとデメリット
まずは、産前休業(出産予定日の6週間前)に入る前に、手持ちの有給休暇をすべて使い切り、実質的な休みを早めるパターンのメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット1:給与が満額支給されるため収入が増える
産休(産前産後休業)に入ると、会社からの給与は止まり、健康保険から「出産手当金」が支給されます。
この出産手当金は、標準報酬日額の約3分の2(約67%)です。
一方、有給休暇を使えば、休んでいても「給与」として満額(100%)が支給されます。
経済的な面で見れば、手当金よりも有給消化の方が手取り額は多くなります。
出産準備でお金がかかる時期に、収入を確保できるのは大きなメリットです。
メリット2:産前の体をゆっくり休め、準備に専念できる
妊娠後期はお腹が大きくなり、通勤やデスクワークだけでも身体的な負担が大きくなります。
有給を消化して産休入りを早めることで、身体を休める時間を確保できます。
また、赤ちゃんを迎えるための部屋作りや、入院準備、あるいは夫婦二人だけの最後の時間を楽しむなど、精神的なゆとりを持つことができます。
デメリット:復帰直後に「休めるカード」がない不安
最大のリスクは、育休から復帰した直後のことです。
復帰直後は、子供が保育園で頻繁に病気をもらってくる「保育園の洗礼」を受ける可能性が高い時期です。
もし復帰のタイミングで新しい有給が付与されていなければ、子供の熱で休むたびに「欠勤」扱いとなり、給与が減る(欠勤控除)だけでなく、ボーナスの査定に響く可能性もあります。
産休前に有給休暇を「残しておく」メリットとデメリット
次に、あえて有給を使わずに残したまま産休・育休に入るパターンのメリットとデメリットです。
メリット:復帰後の「突発的な休み」に対応できる安心感
復帰後に有給が残っていれば、子供の発熱や病気、あるいは保育園の行事などで休む際に、給与を減らさずに対応できます。
特に復帰初年度は、子供の免疫が未発達なため、月に何度も呼び出しがかかることがあります。
そんな時、「まだ有給があるから大丈夫」という精神的な余裕は、働くママにとって大きな支えとなります。
デメリット:有効期限(時効)で消滅するリスクがある
有給休暇には、労働基準法で定められた「2年」という有効期限(時効)があります。
付与されてから2年が経過すると、使っていない有給は消滅してしまいます。
育児休業を長く取る場合(1年〜2年など)、産休前に残しておいた有給が、復帰する頃には時効を迎えて消えてしまう可能性があります。
これでは「ただ使わずに捨てただけ」になってしまい、非常にもったいないことになります。
意外と知らない!産休・育休中の「有給付与」と「時効」のルール
有給を残すべきか使い切るかを判断するためには、会社の就業規則だけでなく、法律上の「付与」と「時効」のルールを正しく理解しておく必要があります。
産休・育休中も有給休暇は新たに付与される
ここが重要なポイントですが
産前産後休業や育児休業をしている期間も、法律上は「出勤したもの」とみなされます。
つまり、休んでいる間も勤続年数は加算され、所定の付与日(毎年4月1日や入社日など)が来れば
新しい有給休暇が付与されるのです。
「休んでいるから有給は増えない」と勘違いしている方が多いですが、復帰した時点で、休業中に付与された日数がプラスされていることになります。
復帰のタイミングと「2年の時効」を計算する
ただし、前述の通り有給には「2年」の時効があります。
例えば、4月1日に一斉付与される会社で、ある年の5月から産休に入り、翌々年の4月に復帰するとします。
- 産休入り前の4月に付与された有給 → 翌々年の4月(復帰時)には時効で消滅する可能性が高い。
- 育休中の4月に付与された有給 → 復帰時にも残っている。
このように、「いつ復帰するか」によって、今持っている有給が復帰時に生き残っているかどうかが変わります。
復帰までに消えてしまう有給ならば、産休前に使い切ってしまった方が確実にお得です。
自身の有給付与日と復帰予定日を照らし合わせて確認しましょう。
結局、どのくらい残すべき?復帰後のリアルな事情
では、具体的に何日くらい残しておけば安心なのでしょうか。
復帰後の状況やサポート体制によって異なります。
「保育園の洗礼」は想像以上!最低でも5〜10日は欲しい
多くの先輩ママが口を揃えるのが、「復帰した最初の年は、有給がいくらあっても足りない」ということです。
個人差はありますが、子供は月に1〜2回は熱を出すものと考えておいた方が無難です。
インフルエンザや感染症にかかれば、1週間登園できないこともあります。
復帰のタイミングで新規付与される日数にもよりますが、前年度からの繰り越し分として5日〜10日程度残しておけると、心の安定剤になります。
病児保育や祖父母のサポートがあるなら「使い切り」もアリ
もし、近くに頼れる祖父母がいて看病をお願いできる場合や、病児保育施設が充実していて利用しやすい環境であれば、有給をそこまで温存する必要はないかもしれません。
自分が休まなくても子供のケアができる体制が整っているなら、産前の体調を優先して有給を消化し、リフレッシュすることをおすすめします。
タイプ別診断:あなたは「使い切る派」?「残す派」?
自分の状況に合わせて、どちらの方針で行くか決めるためのチェックリストを用意しました。
【使い切る派】がおすすめな人
- 産休前に消滅してしまう有給がたくさんある: 復帰までに時効を迎える分は、迷わず使いましょう。
- 妊娠中の体調が思わしくない: 無理をして出勤し、切迫早産などになっては大変です。母子の健康が最優先です。
- 育休を長く(1年以上)取る予定: 長く休むほど、手持ちの有給が時効で消える確率が高まります。
- 金銭的なメリットを重視したい: 手当金(67%)より給与(100%)をもらいたい場合。
【残す派】がおすすめな人
- 育休を早めに切り上げて復帰する予定: 短期間での復帰なら、手持ちの有給が消滅せずに残ります。
- 復帰後のサポート体制が薄い: 夫が休みにくい、実家が遠いなど、子供の病気対応を自分がメインで行う場合。
- 上の子がいる: 子供が複数いれば、病気のリスクも倍増します。有給は多ければ多いほど助かります。
- 会社の有給付与日数が少ない: 勤続年数が浅く、毎年の付与日数が少ない場合は、繰り越し分が重要になります。
会社への申請と引き継ぎのマナー
方針が決まったら、スムーズに休みに入るための準備を進めましょう。
上司への相談は早めに行う
有給をまとめて消化する場合、最終出社日が予定よりも早まることになります。
「産休は〇日からですが、有給を消化して〇日からお休みをいただきたいと考えています」と、早めに上司に相談しましょう。
権利だからといって直前に宣言すると、業務の引き継ぎや人員配置に迷惑をかけることになります。
業務の引き継ぎを完璧にする
有給消化中に会社から連絡が来ないよう、引き継ぎ資料は丁寧に作成し、後任者が困らないように準備を整えましょう。
「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、周囲への配慮を見せることで、復帰後も温かく迎え入れてもらいやすくなります。
まとめ:制度と有効期限を確認し、自分に合った選択を
産休前の有給休暇をどうするかは、単なる「損得」だけでなく、産後の生活や復帰後の働き方を見据えた重要な選択です。
- まずは自社の就業規則で「有給の付与日」と「時効」を確認する。
- 復帰予定日から逆算して、消滅してしまう有給は使い切る。
- 復帰後のサポート体制を考慮し、不安なら5〜10日程度は残す。
- 体調が辛いなら、無理せず消化して体を休めることを優先する。
正解は一つではありません。パートナーとも相談し、今の自分と未来の自分にとって一番心地よいバランスを見つけてください。
元気な赤ちゃんのご誕生と、スムーズな職場復帰を応援しています。

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